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気ままな誰かが気の向くままに何かを書く場所。PBCサイト『真!学園戦国伝』に居る誰かの住処。
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今更といえば今更なんですけどねー。(笑)


2ヶ月。これは、自分が進級してから経過した大よその時間である。

時間単位にして約1440時間という数字にすれば途方もなく、実際に体感すれば
露とも消えそうな流れを経て、大きく成長を果たしただとか、長年の野望を達成したとか、
そんな事は微塵も無く、変わり映えの無い毎日…と言ってもいいのか。
ちょこちょこ、自分の中に出てくる気紛れや他の連中の悪ノリに付き合った挙句、
先生や風紀委員に追いかけられるのも日常茶飯事な自分としてはやっぱり、相変わらずな毎日を過ごしているんだと断言せざるを得ない。

ただ事実、俺はそう言う日常が嫌いでは無かったし。
冒険だの御遊びだの、そう称した気紛れから出来る適度な刺激を浴びて馬鹿騒ぎをするのも
失敗して、結局お縄につきつつ生徒指導室で説教耐久レースを受けるのも、当たり前ではありながらも大事な事で。

積もる所、そう言ったスリルが自分の原動力であり、無くてはならない物。   ……なのだが。


「……あのよ。お前等…いくら景気付けも兼ねて祝ってくれるのは有り難いんだけど、よ。」

さすがにこれは無ぇんじゃねーか…?
呟くように溶けた自分の声音が、明らかに途惑いの色を見せている事が、目に見えるように判る。
それを言葉として表現するならば、抵抗や拒否と言った言葉が一番似合うだろう。
さらに突っ込むなら『良心』や『理性』の領域にまで、全身の神経回路が黄色信号を発している。
季節はもう夏の色を見せ始めていると言うのに、俺の首筋からは一筋…冷たい汗が流れていた。

「何言ってんだ。お前も今日で18歳…。そう、18だぞ?この数字が一体何を意味しているのか、判っているのか?」
「そう、18…それは2の9乗にして、大人へ続く階段への最後の一段!!」
「そして大人へ始まる、最初の一段でもあるんだ…! 
 つまり、精神的にも法的にも大人と見なされ、ありとあらゆる制約から解放される歳でもある。そうだよね、兄さん?」
「そうだとも、弟よ!」

現在町中にあるDVD・ビデオ・ゲームなどを取り扱っているお店の中。
往々にしてコンビネーションで騒いでいるのは、青春高校で俺と共に騒いでくれているメンバーのうちの二人。
双子である二人は、苗字だけを取って通称:比葉兄弟なんて学校じゃ呼ばれている存在だ。
……取り敢えず、性格や雰囲気はこれまでの会話で判る通り、お調子者の度合いは俺とタメが張れると言う事は判ると思う。

「OK。取り合えず、気付いた点に突っ込むなら2の9乗は『18』じゃなくて『512』な。
 んで、ヒノモトで法的に大人として認められるのはどう考えても『18』じゃなくて『20』歳だから。
 後、大人になったからって犯罪になるような事へ走っちゃ駄目だ。 OK?」

すごいな、こんなにスラスラとツッコミが出来たのは何ヶ月振りだよ。
思考が度々明後日の方向に行く癖は理解しつつも、こんな時まで成りを潜めていてはくれないらしい。
ただ今の俺は自信を持って自分が冷静かつ客観的…すなわち、COOLで居れていると言える。間違いなく。
(決してKOOLではない。決して。)(…)
それくらい今自分が直面して居る現状が、呆れを通り越して冷静的な思考をもたらす要員として存在して居るのだ。

「ね、ねぇ…本当に、入る、の…? 僕まだ誕生日来てないんだけど…。」

と、俺の横で何やら俺以上に途惑いを通り越して不安の色を見せているコイツは山原。
俺のクラスメ―トで席が隣の男子生徒である。 
偶然教科書を忘れた日に、こっそり見せて貰ったのが切欠で最近見知るようになり、今日初めて放課後を共にしている。
少しばかり気弱な性分なのか、何時も緊張しているような口調が今日はさらに一段と上ずっている。
それもその筈。何せ自分達の目の前にあるモノがモノなのだから。

「…………。」

目を細めて見つめる先。 赤い、赤い、暖簾のような垂れ幕。
その真ん中に書かれてある、両手を此方に圧しかえすように向ける形で『STOP!』と言う羅列が表す意味は何なのか。
その紅とまで言える程濃いコントラストは、恐らくは警告色なのだろう。その意味合いも込めてなのか、やたらと目に優しくない。

それに遮られ、向こうの様子は一向に伺えないのだが明らかに入り口付近だけでも、
他のフロアーと違ってなんか…こぉ……異様な雰囲気である事だけは判る。
――ここまで話せば、恐らく何の事なのか大よその人には判ってもらえると思うが如何だろうか。

「なぁに、大丈夫さ!ただ単に遅いか早いかの話!」
「詰まり予行練習ってヤツ?そうだよね、兄さん!」
「そう言う事だな弟よ!男なら誰もが一度は自分自身と葛藤し!」
「くぐり抜けるは茨の道!されど、それを超えたなら!」
「そこには広がる、新たな世界!」

それだと別に18で無くてはならないと言う事に何の意味も持たなくなる気がする。
頭の隅から隅まで疑問詞で埋まる俺達を横に、勝手に盛りあがりを見せてくれる悪ガキ双子コンビ。
公の場で二人揃ってポーズまで決める所までは、もはやさすがと言うしかない。
つか新たな世界って何だ新たな世界って。
兎にも角にも俺も山原もただ、呆然としたような表情でそこを見ているしかなかった…のだが。

「…あー。ただな、お前等。」

刻一刻と刻まれる時の中で、例えどんなに勢いのある人間が二人ほど目の前に居たとしても世界と言うヤツは止まらないのが常であり。
積もる所、その変化と言うか突発と言うか、気付かれるべくして、訪れるべくして『ソレ』は訪れたと言うのか。
対して俺はさり気無く、未だに呆然としている山原を連れて「その変化」に飲み込まれ…もとい、巻きこまれないように。
そーっと、その場から数歩だけ双子コンビから距離を取りつつ      口を、開いた。

「いくら18歳になってオーケーが出る年だからって、さすがに制服姿のままじゃ色々拙いんだと思うんだよねぇ…。」
『――へ?』

刹那、その二人が振り向くその先で見た物。
それは厳つい顔で両の腕を組みつつ、仁王立ちで彼等を見つめている二の腕逞しい店員さんの姿。
しかも丁寧に眉間に皺を寄せつつ、米噛に四つ程の角を作って居るモンだから迫力が半端じゃない。
その威圧とも言えるべき眼は、風紀や教育の乱れを一つも逃さず、許さずと言う色を指し示しているかのような。

正直足が竦みそうになったのは、俺もそうだったのだが。
それでも俺は目を合わせないように、そーっと姿を眩ませながら山原と共に、くるりと背を向けて歩き出す。


「ね、ねぇ…。いいの?放っておいて…? 友達なんじゃないの?」
「なぁーに。何時もならまぁ、ちょっとはフォローしようかって考えるけどよ。
 さすがに今回は話が話だし……つーか、どうにかしようにもアレじゃ無理だわ。」

自己責任、自己責任っと。…なんて。口笛の一つでも吹きつつ俺は山原と共にフロアーを後にする。
つーかどうみても、あの状況では例えどんな論法を用いた所で弁解の余地は無い。
さらに言うなら…あれ以上深入れすれば、こちらも色々不本意かつ不名誉な目に合いそうな気がしてならなかった。

その数秒後、途中何か後ろの方で約2名ほどの悲鳴が聞えて来たような気がしたが。

「ま…気にしたら負けだよな?」

半ば誰にでも無く口笛と共に呟く頃には、もう背後からは何も聞えなくなっていた事を明記しておこうと思う(…)
<寄り道インストゥルメンタル/高津大和、18歳の誕生日を迎えた日の午後の事/案外自分も酷いヤツだなって素直に思えた>


高校生の内は18でもパチンコ屋さんなんかに入っちゃ駄目って言われた記憶があります。(何)

何が言いたかったかと言えば、23日で大和は18歳になりましたと言うお話です(…)

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