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夏休みの最後の一日は、後悔しない日がありませんでしたね!(…)
「…ぅーぁー……。」
じーわじーわと唸るセミたちの声も高らかに響く朝日が昇り始めた午前の中。
既に半分テーブルの上に突っ伏した状態で沈みそうになっている私と私の友人たちを余所に、容赦なく時刻は進んでゆく。
来る今日は8月31日。そう、夏休みの最終日。 またの名を「最終決戦の日」である。
「…なんで、去年よりも…こんな…増えてんの、よ…」
そして私――錦織椎那もまた、そんな「最終決戦の日」にあくせくしている学生の一人である。
突っ伏しかけたテーブルの上には、重ね積みされた問題集やノート、ついでに「夏の友」なんてものもある。
予想以上の量の夏休みの課題の多さに、一年生だった頃は進めていくに連れ頭を抱えたものだが、これもまた進級したからなのか。
量は変わらずとも内容の濃さというか難しさと言うか。
軽く3割位去年よりレベル上がってんじゃないのコレ…と、本気で絶望できる内容に、今年は最初から頭を抱えっぱなしだった。
加え言うならば…こればかりは言い訳にしたくないけれども。テニス部が丁度夏の地区大会が近かったのもあり。
連日組まれた合宿で、中盤辺り朝から晩までヘトヘトになってた記憶も新しい。
やべ。このままじゃ絶対終わらねーわ。
…考えあぐねた結果、私はライラ女子寮へかれこれ数日程、泊まり込みながら友達に助けを求めていた。
『まだ始まって1時間ぐらいなのに、なんでぐったりしてるかな。』
「やー、ごめんごめん…。 もうここ数日ロクに寝てなくってさー…。」
あはは…。自分ではそう矢崎さんに笑って見せたものの、生気の無い顔はどうにもごまかしようが無いらしい。
…まぁ、今朝鏡を見てみたら目に隈は出来てるわ、髪はボサボサだわ、肌は荒れ欠けてるわで酷いものだった。
おかげで泊まらせて貰ってる子からは「アンタまじで大丈夫か…」と、真っ青な顔で尋ねられた位だし…。
同じく「じゃあ皆で一緒にやろう」と誘ってくれた壱弓や上杉さんも私ほどじゃないけども、疲れてるのだけは判るくらいだ。
唯一まだ少しだけ余裕があるっぽいリアさんから、励まして貰いつつなんとかペンを走らせて行く…。
「(…これ終わったら、湯の花にでも行きたいな…ぁ…。)」
そんな希望を考えたのを最後に、私の意識は飛んだ。死亡推定時刻、大体の所で午前10時8分。
その58分後の11時16分。
リアさんの寝顔を見る事が出来なかった事が、今日一番の無念だった事をここに明記しておこうと思う。
多分突っ伏したまま腕で目を圧迫しないようにと誰かが外してくれていたのだろう、自分の眼鏡をかけ直し。
…さーて、後もう少しだから頑張っちゃいましょうか。
…あ、そう言えば「誰か足りないような…」と思ってたらリヒャルト君の事忘れてたわね。(…)
今頃何してるのかしら…。
そんなわけで気になった&ついでに理数分野の所で助けを求めようとリヒャルト君へ連絡を取ってみた。
RRRR…RRRR…Piっ。
「あ、もしもし。リヒャルトく――」「只今惰眠を貪り中に付き連絡は明日以降にしてくれると助かる」
ブツっ。 …ツーツーツー…
そんな謎一言と共に本当に一瞬の邂逅だった。
だぁぁぁもう!何よ!少しくらい助けてくれたっていいじゃない!?
思わずムキになって叫んだ私を見て、離れた所でびくっと驚いたように身を震わせた人を見て慌てて我に帰る。
え、えーと。ごめんね…。 誰だっけ…矢崎さんはコアキさんて呼んでたような。
兎にも角にも、驚かせたらしい彼女には謝りつつ。(ついでにリヒャルト君にも心の中で謝りつつ。心の中で)
この辺りで矢崎さんはバイトがあるみたいだったから、お別れ。
…だから私はお嬢様なんて柄なんかじゃないんだってば。
相も変わらずな彼女の挨拶に、何処か可笑しそうに私は笑ってたと思う。
そんなこんなで、もう少しだけみんなで一緒に宿題を進めてから、昼食を取りに食堂へもう一度。
ライラのメニューは基本軽食が主だから、こういう疲れて胃が動かない時なんかは本当に有難い。
ちなみに私のメニューはハム&レタスのサンドイッチと野菜ジュースでした。
…え?髪くらいどうにかして来たらよかったのにって?
ははは、もーここまで来たら今更だしさぁ…。 あー、わかったてば。一回戻ってちゃんとしてくるってば。
そんなわけで、一旦お部屋の洗面台を借りて髪に櫛を入れてきて。
さてと…それじゃ宿題再開、やるわよー。
……あ、けどなんかお腹いっぱいになったらまた眠くなtt(ぱしーん。)(お寺の合宿の如く、いつゆさんに喝を入れられるの図)
痛みの彼方で、ほんの少しだけ、惰眠を貪っているであろうリヒャルト君の気持ちが判った気がした(…)
そして夕方以降から深夜―――。
(おそらくずーっと宿題終わるまで一連の流れがループしたと思うので割愛(…))
ここまでが限界でしたごめんなさいでした…!!orz