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――ぜつぼうしてみました。
長男の場合。(来栖輝)
今ここに、恋愛人生を賭けて絶望ポーカーに挑む者がいる。
その男、来栖輝。まだ若造にして、爽やかささえ漂わすこの少年は、およそこの緊迫した会場には不釣合いではあった。
しかし、彼は落ち着いて最初のカードを引いた。
┌─┐─┐─┐─┐─┐
│結│友│純│犠│一│
│婚│情│粋│牲│途│
└─┘─┘─┘─┘─┘
カードを開くと、会場はなんとも言えない空気になった。
どちらかといえば全体的にはハッピーなカードに満たされていた。
ヌルくてつまらないカードではある。すでに会場から帰り始めるギャラリーもいた。
来栖輝は「犠牲」を捨てた。
彼は今の自分におおよそ満足的ではあった。しかし、どうしても「犠牲」だけは捨てたかったのだろう。
彼はためらわずに新しいカードを引いた。
┌─┐─┐─┐─┐─┐
│愛│結│友│純│一│
│情│婚│情│粋│途│
└─┘─┘─┘─┘─┘
オールポジティブ…
中でも見所は「犠牲」を捨てて「愛情」がやってきた部分であろう。それが来栖輝にはお似合いであった…。
人は来栖輝をこう呼ぶ。「激ポジティブの男」と。
輝「わーい♪何かよく判らないけど揃ったっ!」
レ「…ここまで都合良くプラスの役が揃うと、逆に不気味ですがね…。」
輝「ふふ…いいじゃない。たかがポーカーかもしれないけど、これだけ揃ったのは嬉しいよ?人生笑顔でごーごー」
レ「……今日はやけにテンション高いですねご主人…。」
――本当に揃った内容がオールポジティブだったのが笑った…。
と言うわけで、白騎士は今日もマイペースに日常を謳歌しているようです。……最近はマイペース過ぎる気もする。
それで良いのか受験生。けど問われれば満面の笑みで「うん」と応えそうな位には、ポジティブかもしれない。
(シリアス時以外は割とお気楽思考なのがウチの長男です。…はい。)
輝「ただ愛情はともかく結婚かぁ……。――正直、将来結婚してる自分が思い浮かばないんだよねー…。(ずーん…)」
レ「……恋愛にはネガティブだなご主人…。(どーん…)」
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【技名】
ポジティブスタートからのオールポジティブ
【スコア】
159点
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次男の場合。(高津大和)
今ここに、恋愛人生を賭けて絶望ポーカーに挑む者がいる。
その男、高津大和。まだ若造にして、爽やかささえ漂わすこの少年は、およそこの緊迫した会場には不釣合いではあった。
しかし、彼は落ち着いて最初のカードを引いた。
┌─┐─┐─┐─┐─┐
│愛│愛│友│我│我│
│情│情│情│慢│慢│
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カードを開くと、会場はなんとも言えない空気になった。
どちらかといえば全体的にはハッピーなカードに満たされていた。
ヌルくてつまらないカードではある。すでに会場から帰り始めるギャラリーもいた。
高津大和は「愛情」「我慢×2」を捨てた。
彼は、ペアを切り落とすほどの、なりふりかまわぬ生き方であった。どうしても捨てたかったのだ。
彼は勢いよく次のカードを引いた。
┌─┐─┐─┐─┐─┐
│愛│友│友│友│嫉│
│情│情│情│情│妬│
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「友情」によるスリーカード…
中でも見所は「愛情」を捨てて「友情」がやってきた部分であろう。それが高津大和にはお似合いであった…。
人は高津大和をこう呼ぶ。「友情を追い求めた男」と。
大和「…………………………。」
ギャラリー一同「………………………。」
大和「……ま、さすがにこんなモンだろ。――友情を追い求めた男ねぇ…クールとは少し違うが、まー悪くは無いかね。」
クラスメイトA「けど何故か嫉妬が入って来ているよね。――何?もしかして高津君って独占欲が強いとか…?」
クラスメイトB「…つーか、愛情捨てて友情がやって来るって言う所に、逃れ様のないへタレを感じるよな…。」
クラスメイトC「それって、もし友達と同じ人好きになったら身を引くだろうって啓示…?嫉妬するのに?うわー…。」
クラスメイトD「しょーがねーよ。実はコイツ、許可貰わないと『名前呼び』すら出来ないんだぜ?
……本当は明日にでも名前で呼びたい奴だって居るのn――。」
(刹那、代表してD君の後ろ頭に大和の靴底が突き刺さりましたとさ――。)(げきりんしょー。)
――そして私から語る事はコレ以上何も無いと言う…。(…)
────────
【技名】
無茶斬り、そして「友情」によるスリーカード
【スコア】
125点
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末っ子長女の場合。(錦織椎那)
今ここに、恋愛人生を賭けて絶望ポーカーに挑む者がいる。
その女、錦織椎那。
まだ若造にして、どことなく影を感じさせるこの少女は、この緊迫した会場の中でさえ落ち着いていた。
会場中が彼女の挙動を見守っていた。彼女はゆっくりと最初のカードを引いた。
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│結│妥│金│寛│寛│
│婚│協│欲│容│容│
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カードを開くと、まさにそこはカオスだった。
どう解釈すればいいのか。煩悩に満たされたカードたちは、まさに錦織椎那の中途半端な人間くささを表してもいた。
「小市民か」と吐き捨てて、会場から早々に去るギャラリーさえいた。
錦織椎那は「結婚」「金欲」を捨てた。
捨てたカード、残したカードには、彼女の気持ちがよく表れていた。
彼女はためらわずに新しいカードを引いた。
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│妥│妥│妥│寛│寛│
│協│協│協│容│容│
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「妥協」と「寛容」によるフルハウス…
特に「寛容」を残しつつ「妥協」を引いたあたりに、よく錦織椎那の人柄が表れていた…。
人は錦織椎那をこう呼ぶ。「悩めるフルハウス」と。
椎那「……そんな色々抱え込んでいる様に見えてんのか私………。(頭から突っ伏す)」
(そして隣で人形が物言わぬ口で静かに少女の肩を叩いていたと言う…)
俗に言う苦労人の啓示に見えるのは私だけなんでしょうかね――。
寛容はともかく、割と色んな事に線引きをしている事は認めざるを得ない…。
一時期、キャッチフレーズに「臆病者」を追加しようと考えていたのはここだけの話。
けどさすがにそれは自虐が過ぎる気がしたので辞めました…。(…)
――女心と秋の空。
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【技名】
「妥協」と「寛容」によるフルハウス
【スコア】
-131点
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総評:三人とも似たようで微妙かつ絶対的(?)に違うのが、らいすチルドレンの特徴みたいです。
(そして必ず何処か一点はだめにんげんであるという…。)